BOT更新しました。
特にアナウンスはしませんでしたが、気まぐれでやってるので堪忍してください。
・API1.1に対応 :できていると思う
・末尾の引用元URLをそのまま投稿 :多分OK
3月5日に止まってしまったらすみません。
2013年2月26日火曜日
2012年8月31日金曜日
金はなぜ不活性で金色をしているか
金(Au)は、ナノオーダー(nm)以下の集合の時は、活性で、普段の”金色”とは違う色を示す。
活性化については、以下の引用で説明される。
「もっとも安定な金属である金は、サイズが約 5 nm 以下の微粒子になると強い触媒 活性を示 すことがHarutaによって示された。以後活発な研究がなされたが、その物理 的機構解明は未だなされていない。これまでの研究成果より、金ナノ粒子の活性化の要因として、(1)微粒子化に伴う、活性サイトであるコーナー、エッジ、表面の占める割合が増加するため、(2)電子状態特に、d-band の構造変化(d-band Model)、(3)金-担体間の電荷移動などが挙げられている」
Anton Visikovskiy, Kei Mitsuhara,Toshitaka Nakada, TomokiAkita, Yoshiaki Kido 「金ナノ粒子の触媒活性化機構の解明」
閲覧日:2012/08/08
色については、表面プラズモン共鳴により説明される。
従って、本来の金の”色”と”不活性”を説明するためには、もっと大きなサイズの金を考えなければならない。
金属特有の光沢については、バンド理論で説明される。原子が複数個集まって結合した時、それらの相互作用により、エネルギー準位が(N個の原子が近づくと、N個に)分裂する。このNが大きいと、分裂した準位は一見、帯のように見えるので、エネルギーバンドと呼ばれる。この、原子が複数個集まった(結合した)もの(分子or結晶)の表面、hν(h:プランク定数、ν:光の振動数)のエネルギーを持った光の粒がぶつかると、アインシュタインの光量子説により、電子1つがそのエネルギーを吸収し、電子が昇位する。しかし、このエネルギー準位は不安定であるので、元のエネルギー準位に戻って、その際に持っていたエネルギーを光として放出する。金属結合では、可視光領域にバンドギャップがないため、入ってきた光をそのまま放出する。これにより、いわゆる光の反射として光沢に見える。
先ほど、「入ってきた光をそのまま放出する」と述べたが、実際金は約400~500nmの波長の光を吸収してしまう。その様子は図1の様になる。ちなみに、可視光領域とは電磁波の波長が400~700nmの領域である。金の最外殻の電子配置は5d10, 6s1 である。主量子数が大きいので、当然d 軌道もs軌道も原子核から、より遠い軌道になる。その結果、相似的にd軌道とs軌道のエネルギー間隔も広がるはずである。仮にそのようになったとすると、貴金属の色は電子論から考えると周期律表の下段に行くに従って白色なるので、金は銀よりも白くないといけない。
しかし、実際はs軌道は、p軌道やd軌道に比べて核近傍での電子密度が高いことと、重原子では核電荷が大きいことのために、相対論効果が発生し、収縮する。一方、d 軌道はs軌道の遮蔽性の増大による有効核電荷の減少のため膨張する。その結果、5d→6sのエネルギー差は縮まり、その差は可視領域の約500~400nmの領域になり、着色する。実際に、金が金色であることを示すにはディラック方程式などを解いて、スペクトルの理論値を求める必要があるが、省略する。
金が不活性な理由は金(Au)が第11族元素であることに起因している。「第11族元素は第1族元素と同じ価電子の構成を持ち+1価のイオンを形成するが、d軌道電子の空間分布が上位のs軌道よりも広がることに起因して、s電子への核電荷の有効遮蔽が弱い為に強く原子核に束縛される。その結果、第11族元素と第1族元素と間には+1価のイオンを形成しやすいこと以外は物理的性質が大分異なることになる。すなわち、第11族元素+1価のイオンは強い核電荷の引き付けにより、第1族元素よりもイオン半径が小さく、第1イオン化エネルギーが大きい。単体の金属結合にはs電子のみならずd電子も関与する為、昇華エンタルピーや融点は第1族元素よりもかなり高い。この強い金属格子エネルギーは、第11族元素イオンが水和によって殆ど安定化されないこととあいまって、腐食されにくいとか電気分解に際して陽極に析出しやすいなど、第11族元素が貴金属性を示す要因になっている。」[i]つまり、これによって金が不活性であることを説明している。
閲覧日:2012/08/27
参考文献:
1. なぜ金は黄色なの?銅は赤色なの?-日々の雑記帳
閲覧日:2012/08/27
2. 金属 -Wikipedia
閲覧日:2012/08/27
3. 導体・絶縁体・半導体 -物理のかぎしっぽ
閲覧日:2012/08/27
4. 金属光沢 -Wikipedia
閲覧日:2012/08/27
5. 金属結合 -Wikipedia
閲覧日:2012/08/27
6. 金や銀はきれいですが、なにか色素が入っているのですか?-キリヤ化学
閲覧日:2012/08/27
7. 貴金属における相対論的効果 -琉球大学 理学部物質地球科学科 物理系
閲覧日:2012/08/27
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